
船舶免許の取り方!いくつかの種類に分かれるクルーザー・船の免許制度
「クルーザーの購入を検討している」「購入と一緒に船舶免許も取得したい」など、クルーザーのオーナーになりたい方にとって船舶免許の有無はとても重要です。
大海原を気の向くままにクルージングしたいなら、クルーザーの購入と船舶免許の取得はワンセットといっても過言ではありません。そこで今回は船舶免許の取得方法や、その種類について詳しく紹介をしていきます。
クルーザーを保有するだけなら船舶免許はいらない。しかし、クルーザーの魅力は『自由度』にある!
船舶免許がなくてもクルーザーを所有するオーナーになることはできますが、実際にクルーザーを動かしたい場合は操縦者を雇う必要があります。
しかし、クルーザー最大の魅力は自分自身で船を動かし、自由に好きなところへ行けることです。そのためにも、船舶免許の取得はマスト事項ともいえます。では、船舶免許の取得方法の手順はどのようになっているのでしょうか。
船舶免許の取得方法
船舶免許を取得するためには、大きく分けて以下のような手順をたどります。
- 数種類ある船舶免許の中から、取得するものを決める
- 免許スクールに通ったり、教習所を利用したり、独学で勉強したりといった、取得方法を選ぶ
- 学科・実技、それぞれ規定の講習を受講する
- 国家資格または、修了試験を受ける
- 全ての試験合格後、免許証の交付申請をする
これらの手順を踏み、初めてクルーザーのオーナーとして海を自由に走り回れます。
船舶免許の種類
船舶免許は大きく分けて3つの種類があります。「1級小型船舶免許」「2級小型船舶免許」「特殊小型船舶免許」のそれぞれに特徴があり、購入するクルーザーに合わせて免許を取得します。
1級小型船舶免許
海岸から100海里以内であれば、世界中の海を航行できる免許です。
小型船舶は総トン数が20トン未満で、長さが24メートル未満の船舶を指しますが、水上オートバイは含まれません。
2級小型船舶免許
平水区域と海岸から5海里以内の海域で小型船舶を操縦する際に必要となる免許です。
1級小型船舶免許と同様に、この免許で水上オートバイを操縦はできません。18歳未満の方は船舶の総トン数が5トン未満限定に定められています。
特殊小型船舶免許
水上オートバイ専用の免許で海岸から2海里以内の範囲で操縦できます。
学科試験、実技試験、身体検査などもある
先ほど紹介した3種類の船舶免許のすべてにおいて、学科試験と実技試験、そして身体検査があります。
学科・実技の国家試験が免除されるケースとされないケース
独学で勉強して船舶免許の取得を目指す場合には、学科と実技で国家試験を受け、合格しなければなりません。
しかし、国土交通省が認定した免許スクールや教習所で資格を有した教員が法律で定められたカリキュラムに沿った学科や実技の教習を行うことで国家試験が免除されます。その場合は免許スクールや教習所で行なわれる修了試験に合格する必要があります。
身体検査も重要
身体検査では、視力や色覚、聴力や疾病・身体機能の障害の有無などが検査されます。
また、一度身体検査に合格し、その日から1年以内に違う船舶免許を受験する場合は、検査が免除されます。
規定時間の講習を受けて免許証が交付される
取得する船舶免許によって、それぞれ規定時間の講習を受けます。受講内容や実技練習、操縦方法などを学び、クルーザーのオーナーとしての第一歩を踏みます。
1級小型船舶免許
学科の規定講習では、小型船舶の船長としての心構えや海上での交通ルール、船の特性などを学ぶ講習です。ほかにも、海図を使用したチャートワークやエンジンの保守整備などの上級学科を受けます。
そして実技講習は、小型船舶の取り扱い方から基本的な操縦技術、離着岸や人命に関わる救助方法などを4時間かけて実習します。スクールや教習所によって多少の違いがありますが、学科・実技合わせて28時間の講習を4日間で終えるケースが多いようです。
2級小型船舶免許
2級小型船舶免許では、1級小型船舶免許の講習から上級学科を除いた講習が必要です。日数は2日間で取得できます。
特殊小型船舶免許
1級・2級の小型船舶免許と同様に、小型船舶の船長としての心構えと海上での基本的な交通ルールに加え、水上オートバイならではの操船方法を学ぶ、特殊学科を学びます。
実技講習は、水上オートバイの取り扱い方や基本的な操縦方法について実習していきます。学科と実技を合わせた講習時間は7.5時間程度、1.5日ほどで講習を終えることが可能です。
クルーザーと免許取得が終わったら広大な海へ
試験に合格し、操縦試験合格証明書が発行されたら、その他の必要書類を添えて国土交通省の運輸局に申請します。
基本的には免許申請は本人か海事代理士が行います。スクールや教習所によっては海事代理士を通じた申請手続きをサポートしているところもあるので、事前に確認しておきましょう。
免許証が交付されたら、あとは広大な海がオーナー様を待っています。クルージングやフィッシングなど、快適なマリンライフをお楽しみください。