なぜ必要?ヨット・クルーザーの塗装について詳しく解説
ヨットやクルーザーを購入してオーナーとなった後は、定期的にメンテナンスを実施する必要があります。そしてメンテナンスといえば、エンジンやプロペラといった船の操縦に直接関わる部分をイメージする方が多いのではないでしょうか。しかし、それらと同じくらい重要なのが、船の塗装です。
そこで今回は、ヨットやクルーザーの塗装の重要性や塗料の種類、さらには塗装を行うのに相応しい時期や頻度について詳しく解説します。
ヨット・クルーザーの塗装はメンテンスの一環として必要
一見、関係が無いように思えますが、ヨットやクルーザーの塗装は船を安全に操縦するために欠かせない役割があります。その理由として、次のようなことが挙げられます。
船底を付着物から保護する
船底に貝や藻が付着していると、船のトップスピードが落ちたり、加速が悪くなったりといった影響がでます。
それらを放置した場合、エンジンを冷やすための取水口が付着物で塞がれてしまい、エンジンまでもが故障してしまうケースがあるようです。そういったトラブルを引き起こさないために、定期的に船底から付着物を取り除きます。また、今後付着させないために塗装を施します。
錆やカビの腐食を防止
普段から海上係留している場合、船底が海水に浸されている状態です。海水は大気中よりも鋼材の腐食が早く進みます。
具体的には、数日間海水に濡れていただけで赤錆が発生し、そこから腐食が始まってしまいます。このような腐食から船体を守るためにも塗装が必要です。
船の大きさやデザインに関わらず、大抵の船は船底が赤く塗装されています。これは、錆止め塗料を下地として塗った後、さらに船体の腐食を防ぐために赤褐色をした亜酸化銅を塗装しているからといわれています。
塗料の種類と特徴
船底に用いる塗料には、大きく分けて2つの種類があります。それぞれの特徴について、紹介していきます。
自己消耗型・水和分解型
自己消耗型・水和分解型は塗料に含まれている防汚成分が少しずつ溶けることで、貝や藻の付着を防ぎます。
防汚成分には亜酸化銅と酸化亜鉛があり、それぞれ役割が違います。貝やフジツボなどの動物類には亜酸化銅の効果があり、海草や藻のような植物類には酸化亜鉛が含まれたものが効果的です。
自己消耗型の塗料は比較的安価で入手可能ですが、塗膜が均一に溶けないため、船の表面がデコボコになりやすいという特徴があります。
加水分解型
弱アルカリ性である海水に反応することで、高分子ポリマーが分解していくのが、加水分解型の特徴です。塗膜は分子レベルで溶けるため、自己消耗型と比べて表面がデコボコになりにくいというメリットがあります。
また、弱アルカリ性に反応することで防汚成分が溶けるという仕様上、川や湖のような弱アルカリ性ではない淡水だと効果がないので、注意が必要です。
理想的な塗装の時期と頻度
船の利用頻度や係留場所などにもよりますが、船底塗装を行うのに理想的な時期や頻度というものがあります。
1年に2回行うのが理想
船底塗料の多くは、その効果が6ヶ月程度のものが大半だといわれています。そのため、効果を持続させたいなら、年間に2回のペースで行うのが得策です。
年2回なら、5月と10月に行うのがベスト
海水は毎年5月頃になると温度が高くなってきます。その時期はフジツボの繁殖期と重なるため、船底を綺麗にして繁殖を防ぎます。さらに、10月頃に再度船底の水性生物を取り除き、塗装をし直すのと防汚効果が持続します。
正しい手順で塗装をする
理想的な時期や頻度で塗装を行っていたとしても、正しい手順で行わなければ効果を100パーセント発揮できません。例えば、塗装前に完全に付着物を除去した後、もともと塗られていた塗料を一度剥がすために、船底全面にサンドペーパー掛けを行います。
この後塗装を行いますが、表面が完全に乾燥するまでには、夏なら4~5時間、春や秋なら8~10時間、冬になると10~15時間掛かります。さらに、より防汚効果を高めるなら2回目の塗装を行い、1回目と同様に表面をしっかり乾燥させていきます。
ボートヒーローの船底塗装
年に数回のこととはいえ、オーナー様が一人で愛艇の塗装を行うのは大変です。時間も手間も掛かり過ぎてしまいます。そのようなときはボートヒーローにお任せください。塗装は船底だけではなく、舵やプロペラといった操縦に欠かせない部分の塗装まで、しっかり行います。
船底塗装だけに限らず、ボートヒーローではオーナー様に代わって愛艇の保守管理を全てお引き受けいたします。
基本の安全点検をセットにしたものから、クリーニングサービスなども付属したフルサポートタイプまで、利用しやすい3つの保守管理プランを提供しており、オーナー様の愛艇に最適なプランをお選びいただけます。